47:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 00:12:20.83 ID:aKfQVv85o
「出遅れちゃったけどそこのベンチが空いてるね」
「うん」
「じゃあ、食べようか」
何だ? 何かやたら豪華なお弁当が出てきた。
「よかったらどうぞ。これ、お箸ね」
「あのさ」
「うん?」
「何かお花見の弁当みたいな重箱入りの弁当だけど、いつもこんなもの学校に持ってきて
るの?」
んなわけねえだろ。
「今日はたまたま。作りすぎちゃったって言ったじゃん」
「これ全部自分で作ったの?」
「うん」
「すげえ」
「別にそんなことないよ」
二見が赤くなった。珍しいものを見るものだ。
「じゃあ、せっかくだから頂こうかな」
「余っても捨てるだけだし、いっぱい食べてね」
しかし、さっきまでの麻衣と有希の言動は考え過ぎ、思い込み過ぎからきたものだった
けど、さすがに二見と俺の今の状況をあいつらに見られたら。すごくヤバイ気がする。そ
れだけ、俺の方にやましい意識があるのだろう。
「どうしたの?」
「あのさ、おまえさ」
「うん? 食べないの?」
「食べるけど・・・・・・それよかおまえ何で急に俺に近づいたの? 今まで俺たちって話もし
たことなかったじゃん? たかがスーパーで財布拾ったくらいで、何でお昼一緒にとか言
い出した?」
「何でって。迷惑だった?」
「迷惑じゃねえよ。むしろ友だちが増えて嬉しいけどさ」
「じゃあ、いいじゃん。池山君、好き嫌いある?」
「特にないな」
質問に答えねえなあ、こいつ。俺は不思議に思った。こいつはいったい何を考えている
のだろうか。
「じゃ、煮物をどうぞ。京野菜を使ってるのよ」
二見が微笑んだ。
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