45:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 00:11:05.01 ID:aKfQVv85o
昼休みになると、夕也が俺の方に寄ってきた。
「おい」
「うん? どうした」
「何かよくわかんねえんだけど」
「何だよ?」
「さっきの休み時間に、おまえあての伝言を預かってよ」
「伝言って誰から?」
「有希からだけど」
何なんだ。反省して俺に今朝の態度を謝罪しようとでも言うつもりか。
「何だって?」
「俺が言ってるんじゃねえからな。あくまで伝言だぞ伝言」
「わかったよ。で?」
「そのまま伝えるとだな・・・・・・『今日はあたしと麻衣ちゃんと二人で食事するから兄は邪
魔しないで』ってよ」
麻衣も有希もガキの嫌がらせかよ。あるいは有希が麻衣のことを気にかけてくれている
のは本当なのかもしれないけど、俺のことはどうでもいいと思っているとしか思えない。
有希が夕也のことを大好きなのはしようがないとしても、俺に対して何でこんなに攻撃的
なのだろう。
「好きの反対は無関心だよ」
昔、何でかそういうことを有希に言われた記憶がある。そのときは素直に有希の言葉に
感心したのだけれど、今にして思えば好きの反対は憎悪としか思えない。実際、有希が俺
に対してしていることはそうとしか思えないじゃないか。
「そういうわけだ。あ。俺は伝えただけだからな」
「わかってるよ。じゃあ、二人で学食でも行くか?」
「悪い。俺、昼休みに佐々木に呼び出し食らってるんだよな」
「先生に? おまえ何かやらかしたの?」
「違うって。ちょっといろいろあってな」
「ちょっとなのかいろいろあるのかどっちだよ」
「細かいところに突っ込むなよ。じゃあな」
「ああ。またな」
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