43:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 00:10:07.63 ID:aKfQVv85o
こいつは部外者だから無理はないけど、有希の好きな相手について誤解しているらしい。
放っておいてもいいのだけど、こういう誤解は早めにといておいた方がいい。俺にとって
も有希にとっても迷惑な話題なのだから。
「ここだけの話だけどさ」
俺はいったい初めて話すようになったばっかの二見に何語っているんだろう。
「うん」
「有希には好きな相手がいるの」
「それが広橋君のことなら、それは違うと思うな」
二見は俺に言った。
「え?」
「広橋君は遠山さんのことが好きなのかもしれないけど、遠山さんが好きな人は君だよ」
何を言ってるんだこいつ。
「池山君?」
ふざけるなよ。いろいろな意味で俺はそう思った。こいつの言っていることが正しいと
か正しくないとか、そういう意味ではない。
「おまえは何だよ?」
「ぼっちの女子高生だよ」
二見がまた微笑んだ。その笑顔は不覚にも俺を引きつけた。だが言うことは言っておか
ないといけない。
「あのさ。あの二人は相思相愛なんだから、余計な波風を立てるな」
「そんなことするわけないじゃん。あたしは観察してるだけだもん」
「・・・・・・何でそんなに人のことに興味あるの? 自分は人と関らないようにしてるくせ
に」
「関らないようにはしてないよ。相手されないだけで」
「嘘付け。おまえくらい可愛ければその気になれば友だちだって取り巻きだって彼氏だっ
てできるだろう」
「それはそうかもね」
二見はそれを否定しなかった。そして不思議なというか不敵な笑みを浮かべた。
何か怖いなこいつ。俺は本能的にこいつだけは回避すべきだと思った。そのとき救いと
いうか担任が教室に入ってきた。
「先生来たぞ」
「そうだね」
二見はそう言って自分の席に戻っていった。
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