413:名無しNIPPER[saga]
2017/01/31(火) 23:10:48.51 ID:ooGZg3gbo
もうあまり考えこんでも仕方がない。
あたしはもともと物事を深く考えるような性格ではない。気になるなら気になるで自分
の気持に素直になってもいいのではないか。期せずして居心地のいい生徒会という場所を
見出したせいで学校底辺の頭の悪い仲間と縁が切れたあたしだったけど、いくらこの場所
を失いたくないからといって自分の気持を偽って我慢することはない。
あたしはそこに気がついた。
二見さんが生徒会長の彼女だということはよくわかったけれど、だからと言ってあたし
が周囲の役員の子の視線や噂を気にして行動を押さえ込む必要なんてない。要はきっかけ
の告白はあたしから仕掛けたとしても最終的に生徒会長があたしを選んでくれればそれで
いいのだ。
それならば強引に二見さんから会長を奪った女という印象は相当薄まるだろう。むしろ
生徒会長があたしに夢中になっているという状態にすればいい。何と言っても二見さんは
今ではあたしの属する校内のエリート階層の一員ではない。底辺のグループとは縁がない
かもしれないけど、彼女はどちらかというと一匹狼的な女の子だった。そういうことを考
えると、生徒会長はイケメンではないけど生徒会の女の子の中では人気はある。彼女たち
だって会長を自分たちのグループ以外の女の子に盗られていることは面白くないに違いな
い。まして、あの変わり者の二見さんに。
要するに会長があたしに執着してくれる状況さえ作ってしまえば、役員の女の子たちは
二見さんではなくあたしの味方になってくれるのではないかと考えたのだった。
もちろんそのためにはあたしが強引に二見さんから会長を奪ったような印象を与えては
いけないので、あたしにできるのは言外に会長に好意を持っていることを会長に悟らせる
こと、そしてさりげない一回だけの告白で会長の心を奪うこと、それがあたしが会長の彼
女になる条件だった。
・・・・・・お姉ちゃんに話したことは決して強がりではなかった。あたしは自分の容姿に自
信を持っていた。それだけだけでは十分じゃないかもしれない。でも、かつてのような遊
び歩いていたあたしには会長は関心を持ってくれないかもしれないけど、今のあたしは会
長の身近にいる生徒会副会長なのだ。
『そうなんだけどさ。あたしが告れば勝てるんじゃないかなあ』
あの時は半ば意地になって言ったセリフだったけど、よく考えればこれは決してあたし
の強がりだけではなかった。
こうしてあたしは自分の生徒会長に対する気持ちの正体を未だによくわかってはいなか
ったのだけれど、半ば見切り発車的に告白を仕掛けようと決心したのだった。何よりも夕
也君が身近にいないので、あたしの恋心の行き先がなかったということもあったし。
そう決心したあたしは急に気が楽になるのを感じた。多分もう会長の前にいても会長の
顔を直視できずに俯いて赤くなったりすることはないだろう。あたしは割り切ったのだ。
会長に対して本気で恋をしてしまったかどうかは今でもわからないけど、それすらどうで
もいいという境地にあたしは至っていた。本気で好きなのか打算的な意味で会長が気にな
るのかなんて今となってはどうでもよかった。自分の気持がわからないならとりあえず、
会長の気持ちを自分に向かせることだ。今までだってあたしはそういう恋愛をしてきたの
だ。生徒会役員になったからといって、恋愛に関してはそのやり方を無理に抑える必要は
ないのだ。そうして会長があたしを求める状態になってから改めて自分の気持ちに向き合
えばいい。結果として会長の気持ちを受け入れたとしても、あるいは会長の気持ちを拒否
したとしてもそれはその時に考えればいいことだ。大切なことは会長へのアクションによ
ってあたしが生徒会役員の男女の仲間たちに引かれたり嫌われたりしないようにすること
なのだった。
あたしの行動が、略奪愛なのは確かだった。それくらいはあたしも理解できていた。
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