女神
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397:名無しNIPPER[saga]
2016/11/27(日) 23:24:47.69 ID:l/rfkXGJo

「それって」

 私は思わず声を出したけど、その先を続けていいのかどうかもわからないことに気がつ
き、言葉をとぎらせた。会長の知り合いの女の子が嘘を言っているのでなければ、あった
ことは明白だ。すごくトリッキーな気がするし、そんなことをまじめに考える子がいると
も思いづらいけど、これが事実とすれば会長と二見さんは別れを仕組まれたのだ。二見さ
んの転校を利用されて。そして。

 そのことを知った会長は今二見さんに対してどういう感情を抱いているのか。このこと
を知ったら、麻人のことが好きなはずの二見さんの感情はどういう動きをするのか。

「意味はわかるでしょ」

 会長が軽い口調で私に問いかけた。

「・・・・・・ええ。まあ」

 そんなに気軽な口調で言うことなのか。今日聞いた話を思い切り意訳すれば、会長と二
見さんはお互いを想いあっていたということではないか。唯ちゃんとかという人のせいで
お互いに誤解させられただけで。会長の麻衣ちゃんに対する愛情の深さは疑いようもない
けど、誤解が解ければあるいは。

 それに、二見さんだって麻人のことを好きだったことは確かだろうけど、この辛い別れ
が本当は不必要な余計なことだったと理解すればどうなるのだろう。もう、女神となって
自己実現する必要もなくった、というかもうそれすらできなくなった彼女が会長を求めた
としたら。

「君の心配は不要だよ。今では僕は麻衣のことしか頭にない。あの時の別れが、僕と優に
とって不本意なものだったとしても、今の僕が好きなのは麻衣だけだ」

 会長が少し笑ってそう言った。

「それに、優の方も同じじゃないかな。たとえ,この話を知ったとしても彼女が好きなの
は池山君のことだろうしね」

「あ、はい。それは疑っていませんけど」

「僕が気になる、ていうかわからないのは別なことだ」

「唯さんの気持ちですか」

「いや。そんなことじゃないよ。このことが、仮に副会長や浅井君にわかってもさ。それ
が何で優を陥れる動機になりえるのかわからない」

「どういう意味ですか」

「副会長と広橋君がこのことを知っていたとしても、それは二見さんをひどい目にあわす
理由にならないだろ」

 それはそうだ、と私は思った。

「妹の唯さんに同情するってことは、姉ならまああり得るだろうけど、この唯さんの行動
には弁解の余地はない。副会長が二見さんに追い打ちをかける理由がない」

「でも、現実に私ははっきり聞きました」

「それは疑ってないけどね」

「じゃあ、動機は何でしょう」


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