女神
1- 20
269:名無しNIPPER[saga]
2016/06/07(火) 00:23:13.69 ID:vAalNZ3Lo

 女神行為用の撮影から始って最後は初めて優と結ばれたあの夜以降、俺と優の交際は思
っていたより順調だった。最初の頃、俺と優を追いかけてきた、周囲の奇異なものでも見
るような視線は、すぐになくなってしまった。優が周りの生徒たちと打ち解けようと決め
た後、驚いたことに彼女は実際にまるでぼっちだったことなどなかったかのように普通に
クラスに溶け込んでいた。初めてできた俺の彼女は、ぼっちの女神だったはずだけど、少
なくとも現在の優はぼっちではなくなっていた。それで、俺と優の関係は普通のカップル
として学校でも認められることになった。

 そして、ある意味不思議でもあり、ある意味すごくほっとしたことに、最近は帰宅が遅
かった麻衣が、ある夜、俺に突然話しかけてきたことがあった。麻衣が用意してくれた食
卓を囲んでいた時だ。

「お兄ちゃんさあ」

「うん」

「二見先輩とはうまくやっているの」

 俺はむせて、慌てて目の前のコップの水で喉に詰まった食事を洗い流した。

「何だよそれ」

「誤魔化さなくていいよ。まだ付き合っているんでしょ」

「それはまあそうだけど」

 俺は思わず身構えたけど、それでもやっと麻衣が俺と優の仲に言及してくれたのだ。俺
は緊張して麻衣の方を見つめた。

 麻衣も俺を見ていたので、二人で黙って見つめあうような不自然な状況になってしまっ
た。しばらく続いた沈黙に耐えられなくなった俺が、麻衣に話しかけようとしたそのとき、
麻衣が微笑んだ。


「ごめんね」

「何が」

 麻衣の意外な反応に驚いた俺は聞いた。

「あたし、いろいろ嫌な態度とかしちゃてさ。お兄ちゃんに嫌われても仕方ないと思うん
だけど」

「何の話?」

「あたしも認めるから」

「はい?」

「だから。あたしも認めるからって言ってるの。お兄ちゃんと二見先輩の仲を」

「どういうこと」

「人を好きになるなんて理由なんかないんだね。。あたし、最近そのことに気がついた」

 麻衣はそのときすごく優しい表情をしていた。本人は気がついていないようだけど。こ
の短い時間に、いったい、麻衣の心境に何がおこったのだろうか。

「いやさ。お前が何を言ってるのかさっぱりわからないんだけど」

「相手がどういう人でもさ、お兄ちゃんが好きになったのなら、もうそれを邪魔しちゃい
けないんだと思ったから」

「・・・・・・二見のことを言ってるの」

「誰でもだよ、誰でも」

「何でいきなりそんなこと言うの」

「お兄ちゃん?」

「ああ」

「あたしも、そろそろ兄離れしないといけないのかもしれないね」

「おまえ、さっきから全然意味わかんないんだけど」

「当分は、お兄ちゃんと一緒に登校しないし、お弁当もなしでいい? あ、下校も」

「別にいいけど」

「うん。じゃあ、もう寝るね。お兄ちゃん、お休み」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
468Res/896.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice