女神
1- 20
243:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 22:53:25.40 ID:my8qAWPQo

 これらの疑義に対して優はセルフタイマーで撮影したとか、後手縛りも縛られているよ
うに見えるだけだとか言い訳してスレの住民を宥めていた。

 まさか、池山君なのだろうか。僕は麻衣から池山君の数少ない趣味の一つが写真撮影だ
ということを聞いたことがあった。麻衣はそれを楽しそうに微笑みながら僕に語ってくれ
た。池山君の被写体はほとんど麻衣で、麻衣自身は面倒で嫌なのに池山君に言われて仕方
なくポーズを付けたりカメラに向かって微笑んだりさせられるそうだ。彼女はそれを嫌と
いうよりはむしろ幸せそうに話したのだった。

 僕はミント速報を開きモモのコテトリで検索した。すぐにヒットしたその過去ログを開
くと、優の緊縛写真が今までとは違って相当な枚数が表示された。

 その画像はどれを取っても今までの優の自撮り画像とは次元の異なるものだった。写真
のことは余り詳しくない僕でもそれはすぐにわかった。今までの優の画像は素人くさく、
でも逆にそれは生々しい感じを醸し出していて、それを目当てに彼女のファンが群がって
いたようだったけど、この新しい画像は非常に扇情的な仕上がりで、画質も今までとは比
べ物にならないほどくっきりと優の表情や肌の透けるような白さを生々しく映し出してい
た。つまり良くも悪くもプロっぽい仕上がりなのだった。優の緊縛裸身や怯えたような表
情が繊細に映し出されている反面、優の部屋の様子は綺麗に大きくボケている。それは今
までの優の自撮りのように生活感あふれる部屋の様子まで映し出されていた画像とは全く
質が異なる出来映えだった。

 もうこれは池山君が優を撮影したことで間違いないだろう。僕が病気になったせいで作
戦の決行が遅れたのだけど、結果的にはそのおかげでより破廉恥な画像を公開することが
できる。それに優の自撮りのぼやけた画像では、最悪本人がこれは自分ではないと開き直
る可能性もあった。わかる人にはわかるとは思うけど、本人が強く否定すれば決定的な証
拠はない。でも、この鮮明な画質であればいくら目に線が入れてあるとはいえ、もはや言
い逃れはできないだろう。これはどこから見ても優そのものだった。

 その時、僕はまた別なことに気がついた。最初に優の女神行為の画像を見た時に感じた
な胸をえぐられるような嫉妬心を、僕はこの扇情的な画像から感じなかったのだ。やたら
プロっぽいできだからだろうか。僕は最初はそう考えたけどやはりそうではないだろう。
僕は優への未練をついに捨てることができたのだった。古い恋を忘れるには新しく恋する
ことが一番の特効薬のようで、麻衣に恋焦がれ始めた僕は、これだけ衝撃的な優の画像を
見ても今や全く嫉妬心を感じないでいられたのだ。

 今日はもう土曜日だった。麻衣がメールに返信してくれないことが再び僕の心を蝕み始
めていた。本気で麻衣に嫌われたのだろうか。最後に見た麻衣の姿は僕にキスして屋上か
ら去って行った後姿だった。まさかこれで終わりなのだろうか。麻衣に約束した作戦の決
行はこれからなのに。

 この頃になると、堂々と池山君に撮影させた緊縛画像を誰にでも見せている優の人生を
狂わすことへのためらいはだいぶ消えてきていた。もちろん、それが自分にはね返ること
への恐怖はまだ残ってはいたけど、それよりも自分が麻衣に見捨てられたのではないかと
いう不安の方が大きかった。

 明後日は月曜日だしこの体調なら月曜日は登校できるだろう。熱もほとんど平熱に近く
なっていた。登校したら何をするよりもまず麻衣を探し出そう。恥かしさや妙なプライド
が邪魔して、僕はこれまで彼女の教室を訪れたことはなかったけど、麻衣は平気で上級生
の校舎に入り込んで僕を訪ねてくれていたのだ。僕ももう周囲を気にしている場合ではな
い。月曜日になったらもっと積極的に行動しよう。そう考えて僕は自分を納得させた。

 ところが意外なことに翌日の日曜日の朝、僕は突然母さんに起こされたのだった。時間
は既に午前十時を越えている。

「お友だちがお見舞いに来てくれてるわよ」

 母さんは妙ににやにやしながら僕を起こした。

「池山さんっていう下級生の子だけど、部屋に通してもいい?」

 母さんはそこでまた笑った。「可愛い女の子ね。あんたの彼女?」

「そんなんじゃないよ。部活の後輩」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
468Res/896.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice