222:名無しNIPPER[saga]
2016/05/04(水) 21:10:56.85 ID:mt1lqNZYo
部室に入ると麻衣はもう既に部室に来ていて、相変わらず所在なげにぽつんと座ったま
ま俯いてスマホを弄っていた。
「やあ」
僕は麻衣の別れ際のキスを意識してしまい、少しぎこちない声で妹に声をかけた。
「あ、先輩」
顔を上げた麻衣の表情にぱっと笑顔が灯った。彼女は初対面の時とはうって変わったよ
うに親し気な態度を僕に示した。
「昨日はありがとう、先輩」
「いや、僕の方こそ」
僕の方こそとは変な切り返し方だった。これではまるで僕が麻衣のキスに感謝している
みたいじゃないか。僕は少し狼狽したけど、麻衣の笑顔を見ているとさっきの部室での屈
辱的な会話でささくれ立っていた心が癒されていくように感じた。
「ここじゃまずいから、部室を出て場所を変えよう」
その言葉の意味は麻衣女にもすぐに伝わったようだった。
「うん。どこに行くの?」
彼女はもう僕のことを信用しているようで、すぐに自分のバッグを持ち上げて立ち上が
った。
「この時間なら屋上には人気がないだろうし」
「そうだね。人目があったらまずいよね」
麻衣は言った。僕に人気のないところに連れられて行くこと自体には警戒心すらないよ
うだ。
目論見どおり放課後の屋上には人気は全くなかった。僕たちは屋上に設置されている古
びた石のベンチに並んで腰かけた。寄り添って座っていたわけではないので、僕と麻衣の
間には空間がある。僕はモバイルノートをバッグから取り出して僕と彼女の間に置いた。
僕は黙ってノートを起動し、専ブラを立ち上げてブクマしておいたスレを開いた。今日
のところは淡々と麻衣に事実だけを伝えるつもりだった。この先すべきことは見えていた
けれど、とにかくまずは客観的なデータを麻衣に見せることから始めるつもりだった。彼
女が動揺したとしてもそれはこの先避けては通れない道だった。僕はまず、麻衣が見よう
としたけど、DAT落ちして見れなかったVIPのスレを開いた。
「優さんの最初のメールに記されていたスレがこれだ。今日は読めるようにしておいたか
ら見てごらん。僕はずっと待っているから時間かけて読んでみて」
「・・・・・・わかった」
麻衣は緊張した表情でディスプレイに表示されているスレを読み始めた。
『暇だからjk2が制服姿をうpする』)
僕は真剣にスレを読んでいる麻衣の姿をじっと眺めていた。じっと眺めるに値する容姿
の女の子だったし、彼女ははスレに没頭していたから、僕が彼女をどんなに眺めてもその
ことに気まずい思いをすることはなかった。でもその時の僕は一年生の美少女を鑑賞して
いたわけではない。むしろスレを読む彼女の反応を観察しようとしていたのだ。途中、麻
衣は画像へのリンクを踏もうと無駄な努力をしていた。
「これって画像見れないの?」
麻衣はスレの途中で僕の方を見て聞いた。
「どうもアップしてすぐに削除しちゃうみたいだね」
僕は答えた。
「じゃあ顔も見れないし、これが本当に二見先輩さんかどうかなんてわかんないじゃん」
「まあ経緯からいって間違いないんだろうけど」
池山君へのメールの内容とそこに記されたスレがこのスレであることを勘案すると、当
然これらの画像には優の姿が写っていたずだった。
「とにかく画像は無視して最後までスレを読んでみたら」
「・・・・・・わかった。先輩の言うとおりにする」
麻衣は再びディスプレイに目を落として画面をスクロールし始めた。
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