118:名無しNIPPER[saga]
2016/02/06(土) 22:10:04.79 ID:pCvLUfD/o
「何か悪かったな」
残された俺と二見の間には少し嫌な沈黙が漂った。
「ううん」
「俺たちのごたごたにおまえを巻き込んじゃった。おまえには関係ねえのにな」
「そうじゃない」
「え?」
「そうじゃないの。あたしの方こそごめん」
「何でおまえが謝るんだよ。そりゃ、手を繋いでたとこを夕也に見られたのは痛かったけ
ど」
「君が遠山さんのことを考えなきゃいけない時に、あたしの女神のことなんかで時間取ら
せちゃったから」
確かにそうだったから俺はこのとき、どう答えていいのかわからなかった。
「だからごめん」
「別におまえに強制されて見たわけじゃねえよ。むしろ有希のことに、真剣に向き合うの
を先送りにしてたのは俺だし」
「でも」
「でもじゃねえよ。おまえに悪いことしたのは俺の方だよ」
二見はうつむいた。
「たださ」
「うん」
「何で今、俺の手を離さなかったの? 夕也に誤解されるに決まってるのに」
「あの」
「うん」
「あたし、その」
いつも冷静なこいつらしくないく、何かおどおどしている。
「あたしね。その・・・・・・君のこと好きかもしれない」
え。
「あたしみたいなぼっちが身の程知らずかもしれないけど」
「お、おい」
「君のこと、本当は前から気にはなっていたんだけど」
「・・・・・・うん」
女「本気で好きになっちゃったみたい」
その時、俺の手を離さそうとせず真っ赤な顔で俺に愛の告白をしている二見の姿を狼狽
しながら眺めている俺の目には、彼女の上に昨日見た画像のパンツしか身に纏わない裸身
の二見の姿が重なって見えた。
俺もこいつのことが好きなんだろうか。もしかしたら昨夜女神板のスレでこいつの裸の
姿を見ながら感じていたあの奇妙な感覚は、俺の二見への好意の予兆だったのだろうか。
そしてそのもやもやとした感じとは別に、いつも冷静に振舞っていた二見が、今俺に必死
になって告白している言葉や、強く握り締めらている手の感触が、ここは本気で考えてや
らなければいけない場面であることを俺に強く告げているようだった。
俺は二見の手を強く握り返した。次の言葉を出す前に一瞬、有希が俺に告白した時の表
情と、それになぜか妹の麻衣の顔が思い浮んだけど、それはすぐに昨日見た二見の美しい
裸身のイメージに置き換わってしまった。
「あのさ」
俺は言葉を振り絞った。二見は俺の手を握りながら黙って潤んだ瞳で俺を見上げた。
「俺もさ、おまえのこと好きになっちゃったかも」
彼女はしばらく黙っていた。
次の瞬間、周囲の乗客やうちの生徒たちの目を気にすることなく、二見が俺に抱きつい
てきた。
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