女神
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101:名無しNIPPER[saga]
2016/01/30(土) 22:49:05.89 ID:ZYZlVptYo

「あ、あの。変なこと話して悪い」

 二見は黙って俺を見ている。

「気持悪かったよな。今の忘れて」

「うれしい」

 二見が俺の方を見上げるようにして小さな声で言った。

「え?」

 何なんだ。

「あたしさ、ああいうことしてるって知り合いに話したの初めてだったんだ」

「うん」

 そりゃそうだろうなって俺は思った。気軽に学校とか家庭で話せるようなことじゃない。

「どうせ知られたら変な目で見られるだろうし、噂にもなるだろうし」

「まあ、普通はあれを知ったらドン引きするだろうけどな」

「あたし、多分友だちとか作ろうと思えばできると思うんだけど、隠し事をしながら友だ
ちと付き合うの嫌だったから」

「それでいつも一人でいたの?」

「うん。でもさ、自分でも何でかわからないけど君とは友だちになりたくてね」

「そうなんだ」

「そうなの。でも隠し事するの嫌だったから、怖かったけど女神のこと君に教えたの」

「そうか」

「嫌われるだろうなって覚悟してたけど、気にしないでくれて、っていうか気に入ってく
れて本当にうれしい」

 俺が好きなのは有希だけど、何かここまで好意を示されると正直うれしい。こいつは可
愛いし。

「まあ俺だって健康な男子だし。あの太腿の写真をもう一度見ようとしたくらいだしな」

「・・・・・・え」

 やばい。ちょっと言い過ぎただろうか。

「ちょっと。大きな声で太腿とか言わないでよ。で? 画像は保存したんでしょ」

「してない」

「え? 何でよ。すぐ削除しちゃうから普通みんなすぐにダウンロードするんだよ」

「いやそれ知らなくてさ。もう一回見ようとしたら見れなかった」

「ちょっと待って」

 二見はスマホ取り出して何か操作し始めた。

「送信したよ」

「何を?」

 スマホが振動した。

「メール見て」

「俺の携帯か。おまえから?」

「君にプレゼント」

 空メールに添付されていたのは、昨日の二見のむき出しの太腿の画像だった。

「よかったらどうぞ。好きに使っていいよ」

「つ、使うっておまえ何言って」

「だってよくレスもらうよ? 大切に使わせてもらいますとかって」

 俺は二見の笑顔を正視できなかった。正直に言えば、その場で死にたいくらいだった。


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