末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[sage saga]
2016/02/28(日) 00:20:57.88 ID:dkyA67w70
師匠「儂は『この男』を、そんな立場に立たされる前から知っているが」
師匠「…………彼の人生は彼の思い描いた通りに行かなかった」
師匠「おそらくは、『彼女』も」
次兄(……そうか、このきらびやかな衣装の美形王族カップルが漂わせる暗さは……)
師匠「だからってなあ、国を、民を、我が子を」
師匠「全てを王の名の元に自分の思い通りにしてやろうとはなあ、許された所業ではないぞ、わかっておるのか?」コンコン
次兄「お、おっさん、絵を杖で叩いたら絵具が剥がれるし」アタフタ
師匠「……この男とは少年の頃、机を並べて共に学んだこともあってな」
師匠「ま、それはどうでもいい」
師匠「この画家は間違いなく腕が良かった、天才と言っても良い」
師匠「……しかし既に名声が拡がっていたとは言え若くもあったのだ、思いがけず、彼らの複雑な心境まで筆に込めてしまった」
師匠「王と王妃自身が気付いていたかは今となってはわからんが」
師匠「……彼らの子である王子は、間違いなく敏感にそれを感じ取ったのは間違いない」
王子「…………」
師匠「そして、赤の他人であるにもかかわらず」
師匠「芸術的センス、若さゆえの感受性の強さ、野獣への想い、他にもあるかもな」
師匠「あらゆる要因が、この絵に向かい合った君達兄妹に涙を流させた」
師匠「……正直、君達がここまでの反応を見せるとは予想外で」
師匠「まだ幼く柔らかな心が傷付いたとすれば、すまないことをしたと儂は思う」
(野獣「……」)
末妹「……(お兄ちゃん)」チラ
次兄「……(うん)」コクリ
末妹「いいえ、師匠様」
末妹「兄も私も、この部屋に入った事を後悔してはいません」
末妹「私の場合は、最初に胸がとても痛く、苦しくなりましたが、その後は次第に落ち着いて」
末妹「……それから、今度は同じ場所がほんのりと……暖かくなったのです」
末妹「野獣様が夢の中で、ご自分の欠片を、泣き続ける私に分けてくださった直後のように」
(野獣「!」)
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