末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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82: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/02/12(金) 01:25:30.79 ID:UiQ0p+yt0
王子「では、覆いを開きます、皆さん……」グッ

末妹「はい……」

次兄「どきどきわくわく」

覆い:サーッ

師匠「……」

師匠(久し振りだな、王よ)

師匠(野獣よ、お前も仮想の窓で見ているのであろうな……)

(野獣「……父上、そして母上……」)

(野獣「菫花がこの部屋に入り、絵と向かい合ったあの日」)

(野獣「菫花はよくやった、頑張ったと私は思った、嬉しかった」)

(野獣「しかし、私自身は……」)

次兄「」

末妹「……っ」

菫花「!」

(野獣「お前達……」)

菫花「……なぜ、泣くのですか……?」

菫花「二人とも……」

末妹「……何故でしょう、この絵は……とても立派で美しいと、芸術の知識がない私にもわかります」グス…

末妹「そして描かれている王様と王妃様……お二人も奇麗なかた、でも、でも」

末妹「……この絵を見たとたん、胸のこのあたりがぎゅっと……苦しくなって、涙が……」グシ

(野獣「末妹」)

(野獣「あの場所は末妹が……『私の欠片』を押し当て、そのまま溶け込んだ場所……」)

次兄「……俺は、これ、あくまで直感なんだけど」グシュ

次兄「俺こええよ、この絵……」

次兄「描かれている対象そのものがじゃなくて、なんというか、その……」ズビー

次兄「依頼をこなすだけ、それだけでよかったんだこの画家は、なのに」

次兄「頼まれていないものまで描いちゃったんだ、そしてそれは描いちゃ駄目なものだった……」

(野獣「次兄、お前にはそれがわかるのか……」)
 


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