末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[sage saga]
2023/01/09(月) 18:02:12.20 ID:98/S2SPl0
…………
さらに数日後、北の国境近くの村……
商人「……というわけで、旅行者が旅先でお茶の時間を楽しむのも悪くないと思うのですよ」
商人「隣国や北辺都市への通過地点として一泊するだけではなく」
商人「この村やその周辺、そのものを目的にする旅行者が増えるかも」
村長「ふむ……しかし、この村の宿兼酒場の規模では、お茶の時間に飲食を提供できる余裕まではありません」
村長「商人さんもご覧になったでしょう?」
商人「はい、村長さんの妹さん夫婦が経営しておられる、村唯一の宿ですね」
村長「昨年、北部街道の整備が終わってから村を訪れる旅行者も急増し、忙しいと日々ぼやいております」
村長「まあ嬉しい悲鳴なので、贅沢な悩みですが……」
商人「ですから妹さん達のご負担を増やさないように」
商人「カフェの切り盛りはこちらの紳士とそのご家族が一切引き受け、売り上げから村へ建物と土地の借用代を支払う形になります」
師匠「ええ、この儂が経営者となります」
村長「酒場の裏の空き家……あのボロ家に家賃が発生するとは有り難い限りです」
村長「しかし、美しい店に改装したとて、提供する軽食、お菓子、お茶がどのようなものか……」
商人「百聞は一見に如かずです」
商人「こちらに試食を用意しております……師匠様」
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