末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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663: ◆54DIlPdu2E[sage saga]
2020/02/16(日) 21:01:29.24 ID:BgmEBtxm0
南の港町、安宿。

従業員「お茶っす」カチャ

商人「ありがとうございます」ニコ

主人「こら従業員、言葉遣い」

主人「……まさかこんなに早く良いお返事をいただけるとは思いませんでした」

主人「本当にありがとうございます、商人さん!!」

商人「いやあ、ありがとうはこちらのセリフですよ」

商人「新しい試みとして、小規模な正式契約を結んでくださる取引先を私も探していましたから」

商人「お宅の宿は、もう3年も前からあの石鹸を買ってくださっているのですからね」

商人「これからは私も確実に品物をお届けできるようなりますし」

商人「おまけに鍋の磨き粉もうちと契約してくださるとは」

主人「ははは……お恥ずかしい話、今までこの町でその時々で一番安い磨き粉を使っていたのですが」

主人「先月、ひどい粗悪品に当たりましてねえ……鍋の焦げは落ちもしないのに従業員の手ばかり荒れてしまって……」

従業員「痛かったっす……」ポツリ

主人「俺……私は皮膚が強いので平気だったから、一晩かけてそいつで磨いたのですが、少しも鍋はきれいにならず」

商人「ああ、奥様の手が……それはひどい話ですね」

従業員「……!! 奥様、奥様っすか!? あたし『奥様』なんて呼ばれたの初めてっすーーー!!!!」ピョンピョン

主人「こ、こら、はしゃぐな、お客様の前で……」

商人「若い方は元気なのが一番ですよ」

商人(こうして見てるとほんとに親子みたいだが、10歳くらいしか離れていない夫婦なんだよなあ)
 



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