末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2017/12/25(月) 00:02:47.27 ID:FcvUXxa+0
(師匠「ふむ……それならば、誰か、次兄君兄妹と儂と長兄君以外の者に数を数えてもらおう」)
(師匠「十、数えてくれるのに合わせ魔法を発動させ、あちらでは鍵を開く」)
(野獣「では、私が……練習してもいいですか?」)
(師匠「ああ」)
(野獣「いーち、にーい、さーん……こんな間隔で」
(師匠「うむ、それで大丈夫だ」)
長兄「こちらも大丈夫です」
(次兄「では皆さん、頼みましたよ!!」キリリリ)
(師匠「詠唱を……」ブツブツ)
(野獣「いーち」)
長兄「よし、鍵を鍵穴にあてがって、数え終わりを待つ、と……」
(末妹「お兄ちゃん……」ギュッ)
(次兄(さあ、俺だけの人生最大の危機が訪れようとしている)ゴクリ)
(野獣「にーい」)
(次兄(あれがある限り、俺はどこに行こうとも、何が何でも生きて再びあの部屋に帰らねばならぬ運命(さだめ))ググッ)
(メイド「次兄様、本当に真剣な表情です……」)
(庭師「すごい、銃を持った人間達がお屋敷に近付いてきた時のよう……いや、それ以上に張り詰めているかも」)
(料理長「何かを守ろうとする雄(おとこ)の顔ですな……」)
(執事「なんという緊迫した空気……何があの次兄様をあそこまで……」)
(次兄(開錠までは頼んだが、引き出しをどうするかは敢えて指示を出していない、つまり、あちら任せ……)ドキドキ)
(次兄(引き出しの内側は白日の下に晒されるのか、だとすれば俺の肉体はそれを阻止できるのか、間に合うのか)ドクンドクン)
(野獣「さーん」)
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