末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
1- 20
488: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/03/19(日) 11:41:46.72 ID:4CgeVKsd0
(野獣「うむ、夢の世界に、師匠の結界が重なってしまったのかもしれない」)

(野獣「師匠の結界は入れない者を弾く力は弱く緩やかだが、その代わり例外なく弾く、見た目以上に強力な魔法」)

(野獣「周囲と完全に遮断された結界の内側と、現実とは混じる事のない夢の世界が、二重になっているのだろう」)

(末妹「野獣様の夢の世界でもあり、師匠様の作った場所でもあるのですね」)

(野獣「そうだな、しかし師匠は我々がこうしているとは思いもよらないだろう」)

(野獣「私だって、今の時点で全てを理解できているとも思えんが、それより」)

(野獣「……さっきも言ったが、菫花が心置きなく泣けるように師匠が張った結界」)

(野獣「菫花自身は現実世界にいるわけだが……泣き声は聞こえるか、末妹」)

(末妹「……そう言えば、野獣様に近付くにつれはっきり聞こえるようになって来たけれど」)

(末妹「今は聞こえなくなってしまいました」)

(野獣「私も少し前から聞こえなくなってしまった……泣きやんだのだろうか?」)

(末妹「現実世界の様子を見ることはできないのですか?」)

(野獣「ああ、仮想の窓が使えなかったのだ、しかし……お前達が来る前と今とでは状況が違う」)

(野獣「駄目元で、もう一度試してみるか……」スッ)

(野獣「仮想の窓」シュパ)

(野獣「お、開いたぞ……ああ、かつての王城の庭園と、一部とは言え殆ど変っていないな」)

(末妹「あ、あれは菫花さん……?」)

(次兄「……なんかぶっ倒れていません?」)

(野獣「泣き伏しているのか、いや、あれは」)




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
689Res/550.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice