末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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487: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/03/19(日) 11:40:36.26 ID:4CgeVKsd0
(野獣「師匠と菫花の魔力、そして師匠と菫花が小国の領土に入り、屋敷に接近してきたこと」)

(野獣「私や菫花の両親の墓所に師匠と菫花がいること、そして」)

(野獣「菫花に、自分がまだ知らぬ過去の話を知りたいというとても強い思いがあること」)

(野獣「あの二人の行動や精神状態、魔力、それらに大きく影響されたのか」)

(野獣「いつもとは違って、私の力が及ばない現象がところどころ起きている」)

(野獣「まず風景、私がいくらバラ園や屋敷を思い浮かべても変わらず周囲は見ての通り白い霧に覆われたまま」)

(野獣「それに私の魔法……仮想の窓が使えない、そして全く予想外の……呼び出していないお前達が現れた」)

(末妹「では、呼んでいたのは野獣様ではないのですね」)

(野獣「師匠が現実世界で、墓所の周囲に強力な魔法による結界を張った」)

(野獣「菫花が誰にも邪魔されず泣けるようにな」)

(末妹「泣いていたのは菫花さん」)

(末妹「私、誰かの泣き声を聞いたのです、誰の声かわからないほど微かだけど、本当に悲しそうな……」)

(末妹「でも耳から聞こえたのではなくて……野獣様の欠片を受け取った胸のあたりから、『聞こえた』のです」)

(野獣「!?」)

(末妹「だから私、欠片にどうすればいいのか尋ねてみました、そしたら『わかった』のです」)

(末妹「心を落ち着けて、目を閉じて……そうすればきっと泣き声の主の元にたどり着ける、って」)

(次兄「俺が見た時は部屋で末妹は眠っていました、俺も肩に触れた途端に眠くなって」スリスリスリスリ)

(野獣「会話をしたいのならその高速頬擦りをやめい、暑苦しい」グイ)

(次兄「うむぎゅ」グエ)

(次兄「……しかし、現実世界で肉体が眠ったから俺達はここに来れた、やはり野獣様の夢の世界なのでは?」)




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