末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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446: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/02/05(日) 17:40:10.83 ID:51bwU4QR0
師匠「その矢先、王女の兄さえも父親に先立ち逝ってしまった、理由は知っているか?」

王子「……一番上の伯父は事故で、とは聞きましたが、詳しくは」

師匠「彼は部下や下々の者にも思い遣りのある人物でな」

師匠「例えば国の大きな事業の現場に赴いて労いの言葉をかける、その行為が仇になった」

師匠「小国にあった『白い月の橋』を覚えているか?」

王子「ええ、僕が生まれる前からあって、今も残っている大きな橋でしょう?」

師匠「うむ、実は件の戦で一度は壊された橋でな、戦後に掛けられた仮設橋を本格的に掛け直す工事が始まったのだが」

師匠「嵐の日に現場に慰問に訪れ……土砂崩れに巻き込まれた」

王子「……」

師匠「お前の祖父が後を追うように亡くなったのは言うまでもなかろう」

師匠「そして、唯一の先王の実子となった王女は、異国へ嫁ぐことは叶わなくなり」

師匠「婚約は破棄された」

王子「その時の、『とある国』の王子様や王様は怒らなかったのですか?」

師匠「万一、王女が新しい小国の王妃となる場合はこの婚約は破棄される」

師匠「これは婚約当初からの条件だったので……国同士は『恨みっこ無し』」

師匠「当人の想いは置いといて、だがな」

王子「……」

師匠「あとはお前も知ってのとおりだ」

師匠「存命で、なるべく直系に近くありながらも王女の夫となれるほど離れた血筋の、男の王族」

王子「……父しかいなかったのですね」
 


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