末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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405: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/11/27(日) 23:54:29.55 ID:euAQf+/I0
……………………

…………

商人の家。

長兄「……ごちそうさま。おいしかったよ、料理の腕が上がったなあ」

長姉「ふふ、ありがとう兄さん」カチャカチャ

長兄「お前が生まれて初めて作った『鱒のムニエル』なんて、油と混じった焦げ臭いほぐし身だったのに……」シミジミ

末妹「えっ?」

次兄「何何、それいつの話?」

長姉「ちょっ、兄さん、そんな昔の話を持ち出して!?」

次姉「……思い出した、兄さんが寄宿学校に行く前の年でしょ、私は今の今まですっかり忘れていたわ」

長姉「12年も前……7歳で作った料理と比べてどうするのよ!!」

次兄「そんな昔なら俺と末妹はほぼ記憶ないよな」

商人「そうだね、あれは夏だったから次兄は4歳になったばかり、末妹は2歳の誕生日も来ていなかった」

長姉「……ばあやに教えてもらいながら作ったけど、フライパンにくっついてどんどん焦げ臭くなってきて」

長姉「焦ってヘラで剥がそうとしたら崩れちゃったの……」

長姉「でも3枚だけよ、残りはばあやが焼いたからきれいにできたわ」

商人「ああ、私とばあやと長兄で、焦げ付いたムニエルを引き受けたんだよ」

商人「でも長兄にはやめておけと私もばあやも止めたのだが……お前ときたら聞かなくてね」

長兄「え? そうだったっけ?」

商人「そうだよ、それで私も根負けして、ばあやに『長兄の気の済むようにしてやってくれ』とね」

長兄「……なんか俺の記憶では、ベソかいてる長姉に無理矢理食べさせられたように……捻じ曲げられていたみたい」

長姉「ひどい!! 私、兄さんが食べると言ってくれたの」ベチーン「すごく嬉しかったのに!!」

長兄「」

末妹「 」
  


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