末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2015/12/11(金) 00:06:45.29 ID:t40CHnQU0
(次兄「……へへ、我ながら何言ってんでしょうね?」)
(次兄「己の夢を叶えるになるため、妹と離れて家を出ると宣言した兄なのに」)
(次兄「妹がどんどん大人になって行くのは寂しいとか」)
(次兄「野獣様にとって俺はどういう存在か、じゅうぶん身に沁みているのに、改めて思い知らされると悲しいとか、身勝手な……」)
(野獣「…………私にとっての『友』という存在では、やはり不服か?」)
(次兄「……」フルフル)
(次兄「人生における初恋の相手が基本的に一人しかいないのなら、初めての友達だって唯一無二の存在」)
(次兄「野獣様が俺にとってのそれであり、俺もまた野獣様のそれであると思ってもらえるのは名誉以外の何物でも……」)
(次兄「……………………」)
(野獣(黙ってしまった、また泣くのではあるまいな??)オロオロ)
(次兄「……うへへ、そう考えたらやっぱり俺は幸せ者ですね」ニパ)
(次兄「俺の涙なんて子供じみた独占欲の現れですよ」)
(次兄「いっぽう野獣様との出会いをきっかけに末妹は少しずつ一人前の淑女へと成長しつつある、今この時も」)
(次兄「俺も大人に、真の意味での紳士にならねば」)
(次兄「頼りないままでは美術学校を父親に認めてもらうのも困難ってものですよ、ねえ?」)
(野獣「……焦って早足で大人にならんでもいいのだぞ、しかし、私に言わせれば、お前は立派な……」)
(野獣「……」)
(次兄「ん? 『立派な』何ですか、野獣様?」)
(野獣「……うむ、立派な、変な奴だ」ニッ)
(次兄「わーい(棒)、なんとなくそんな予感はしていましたー」)
(野獣「ふっ、冗談だ。すまんな、ふふ……」)
(次兄「むー、野獣様ったら、お茶目さんなんだから!」)
(野獣「ははは……」)
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