末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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309: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/08/14(日) 21:42:17.64 ID:DRmNCapN0
(王子「もう大丈夫ですってば!!」)

(末妹「ふふ……お待ちしております菫花さん」)

(末妹「そうだ野獣様、メイドちゃんすっかり元気になって布の造花を作り始めたそうですけど」)

(末妹「今日の昼間の様子はどうでしたか?」)

(野獣「ああ、私が教えた花はすぐ作れるからと……」)

(野獣「執事から早くも自粛するよう忠告されたそうだ」)

(末妹「ええっ!?」)

(野獣「昨日の朝から今日の昼までかかって、すでに渡り廊下の壁がお花畑になる勢いだとか」)

(野獣「……そんなんだから、応用編として一つ作るのに時間のかかる凝った造りの花を自分で考えることにしたらしい」)

(末妹「自分で……」)

(野獣「料理長が料理をあれこれ自分の考えで工夫するように、自分にも教わった通りから更に工夫できるはずだと」)

(野獣「とにかく、寂しがっている暇はないくらい張り切っているようだ」)

(末妹「よかった、本当によかった……」)

(王子「僕も安心したよ……末妹さんと野獣のおかげだね」)

(野獣「花と言えば……師匠、このバラ園の片隅に、現実世界の屋敷では見たことのない色が一輪咲きましてね」)

(師匠「おお、それなら儂も見つけたぞ、少し珍しい色だなと思ってはいたが」)
 


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