末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2016/08/14(日) 21:40:08.20 ID:DRmNCapN0
(王子「それに、執事さんのにおいを嗅がせても怯えた様子がなかったんだ」)
(王子「大きな犬が一頭いてね、牧場主さんの話では生後半年なのに他の犬達より大きくて、その騾馬とも仲がいいんだって」)
(末妹「あら、その犬さんの話は知らなかったわ……最近牧場に来た子なのね」)
(師匠「山岳地帯の猟師の家で生まれた子犬を譲り受けたと話していたが、儂の見たところ幾らか狼の血が入っているな」)
(末妹「あ……」)
(野獣「どうした末妹、複雑な顔をして」)
(末妹「……『狼の血を引く大型犬』がわりと近所にいるって、お兄ちゃんに聞かせてよかったのかしら、と思って……」)
(師匠「ああ……少年の好みのタイプと言うやつか」)
(野獣「大丈夫、執事の獣臭セットの話題が出たあたりから指で両耳を塞いでいるので」ガッシリ)
(次兄(みんなの話は聞こえないけど野獣様臭を間近で嗅げるからもう少しこのままでいいや)クンカクンカ)
(師匠「とにかく有力候補として、我々が旅を終えて返事をするまで、他には売らないでくれる約束をしたよ」)
(末妹「そうですか、幸先が良い……と言うのですよね、こういう時は」)
(王子「うん、最初からいい子に出会えて、これから何軒も牧場を回るけどこの先も楽しみだよ」)
(師匠「ま、君達とも野獣ともまたしばらく会えないが……明日この町を発つ前、菫花を君の家に顔出しさせるよ」)
(王子「そう言えば約束していましたね」)
(師匠「商人の家まで送り届けてやろうか? それとも宿屋まで迎えに来てもらおうか?」)
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