末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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289: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/08/01(月) 00:32:28.02 ID:Rsjq9VVA0
(末妹「……メイドちゃんがうちの家政婦さんに送ったクローバーの押し葉ですけど」)

(末妹「自分で作った押し花のしおりを、お屋敷で読書している時に使っていたらメイドちゃんが興味を持ったので……」)

(末妹「簡単な押し花の作り方を教えてあげたのです」)

(末妹「だから……メイドちゃんが作った押し花を小さな額に入れて」)

(末妹「騾馬小屋とお屋敷をつなぐ渡り廊下に飾ったら素敵じゃないかな……と」)

(野獣「ほう、渡り廊下をね」)

(王子「確かに師匠も僕も実用的な内装ばかり考えて、装飾までには思い至らなかったな」)

(末妹「あ、でも……今の季節は、もうお花はないですよね」)

(野獣「うむ、現実世界は冬だからな……」)

(次兄「……そうだ末妹、昔ばあやに教わったアレは?」)

(末妹「え?」)

(次兄「小さい頃、裁縫の練習用にばあやが余った端切れをくれたじゃないか、その時に教えてくれただろ?」)

(末妹「ああ、あれなら季節に関係なくできるわ! メイドちゃん器用だし」)

(野獣「ふむ? 何を思い出したのだ?」)

(末妹「色とりどりの布でお花を作るんです、花びらや葉っぱに少しずつの布でいいから、端切れがあれば充分です」)

(王子「なるほど、造花ですか」)

(末妹「本物の花そっくりには作れませんが、あえて布の材質を活かしても可愛らしく仕上がりますよ」)

(野獣「……末妹、お前が作った造花は家のどこかに飾ってあるか?」)

(末妹「私が作った……ですか?」)
 


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