末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2015/11/29(日) 00:05:30.46 ID:SV0bJE2A0
師匠「不思議に思うか?」
師匠「男は娘にこう言ったそうだ」
師匠「『ドレスに纏わる思い出、生まれて初めて好きになった異性への想い、それもひっくるめて君という人間』」
師匠「『君をまるごと引き受ける覚悟で求婚したのだから、全て抱えて自分の元に来てくれ、捨てるものなど何もない』」
師匠「……こんな台詞、儂などは脇腹が痒くなって来るのだが」ボリボリ
師匠「その言葉があの娘には本当に嬉しかったと……」
師匠「…………何を泣いておるのだ?」
王子「彼女の夫と言う人は、心から彼女を、愛していたのですね……」グシュ
王子「本当によかった……いい人に巡り会えて」グシュグシュ
師匠「ふむ……」ボリ
師匠「あの娘はどうにか幸せな家庭を持てた、お前ももうちょっとまともな生活を送れるようになったら」
師匠「新しい恋でも探してみてはどうだ?」
王子「……」
王子「……彼女は何年もかけて自分を想ってくれる人を受け入れました」
王子「僕の人生の時間はまだ彼女を『失って日も浅い』のですよ?」
師匠「だからそんなこと考えられもしない、か」
師匠(ま、そうだな、いつか)
師匠(あの娘を愛した思い出ごと、お前という人間を引き受けてくれる女性が現れたら……)
師匠「……うむ」
師匠「先の話だな。まだまだ遠い未来の……な」
……
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