末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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196: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/05/29(日) 02:20:23.62 ID:+u0xSqqH0
その日の夕方。

次兄「末妹よ」ヌッ

末妹「お兄ちゃん、起きてて大丈夫?」

次兄「寝て起きて家政婦さんの実家に伝わる秘伝の特濃ハーブティーを飲んでまた寝て起きたらスッキリですわ」

次兄「起き抜けに食事抜きで腹が減ったと言ったら、家政婦さんが昨日のマロンタルトの残りをくれた」

次兄「美味しくいただいたので、たぶん胃も回復です」

末妹「よかった……」ホッ

次兄「というわけで、今夜あたり父さんにあの話をしないか? 魔法の鏡を使ってお屋敷と」

末妹「……別の話はまだしなくていいの? 美術学校を受験したいって」

次兄「ん? 当初の予定通り、そっちはもう少し先で構わんでしょう」

次兄「俺達のお帰りなさいムードが完全に消え失せ、お前が学校に再び通い、完全な日常モードが戻ってからが良い頃合いかと」

末妹「……」

(商人「次兄は昨夜のことを覚えていないのか……それなら、すまんが末妹も黙っていてくれないか?」)

(商人「あの子なりに慎重に考えを巡らせながら機を窺っているはずだ」)

(商人「再び次兄からあの話題を切り出すまではね、お願いだから……」)

末妹「……うん、今日は魔法の鏡の話をしようね」

次兄「そうと決まれば、さっそく事前の打ち合わせをしようぞ!!」シュビシッ

末妹(そのポーズに何の意味があるの? とか聞かない方がいいのねきっと)

……

次姉「次兄、元気になったみたいね。さっき、末妹を連れて庭に出て行ったわ。明日こそは朝から働かせなきゃ」

長姉「しかしあの子達、いくつになっても仲がいいと言うか、いつまでも子供と言うか……」

長姉「あの分じゃ、末妹には次の恋なんてどれだけ先の話か」

次姉「姉さんこそ末妹の心配し過ぎ」

次姉「誰もが自分の速度で大人になって行くんだから」



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