末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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162: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/04/24(日) 18:26:49.15 ID:cM7V2mMO0
…………

長兄「……で、その本は既に図書館じゃなく歴史学者の所有になっただそうだ」

次兄「ハッ」

次兄「ぼーっと回想に浸っていた、いかんいかん」

長兄「館長さんが言うには、またどこかで見つかったら図書館に補充しておくって話だけどな」

次兄「そっか……」

次兄(例えあの場所に興味を持つ学者が出てきても、おっさんがいれば大丈夫だろう)

次兄(それに、もしも『ろくでもない王子』という世間の通説が訂正されるのなら、それは良いことかもしれない)

商人「さてと……いつまでも庭先でこうしているわけにも行かない。家に入ろう、二人ともお腹は空いてないか?」

玄関のドア:ギィ……

家政婦「皆さん、お茶の時間ですよー」

次兄「家政婦さんいつの間に家の中に」

家政婦「サンドイッチと栗のタルトを用意しました、軽いお食事代わりにもなりますよ」

商人「ありがとう」

商人「さ、次兄と末妹は旅装を解いて居間においで?」

末妹「はい!」

末妹(そうだ、近いうちにお土産でいただいた紅茶とお菓子を使ってくれるように、後で家政婦さんにお願いしよう)

末妹(それから……)

末妹(家政婦紹介所の決まりがあるから、我が家の飲食の場には同席はできないって聞いているけど)

末妹(家政婦さんにもあのお菓子を食べて欲しいな、メイドちゃんも一緒になって作ってくれたんだもの……)

次兄「朝食はたっぷり食べたけど、さすがにこの時間になればお腹も空いたかなぁ」

次姉「……どうしたの姉さん、なんかニヤニ……ニコニコしているけど」

長姉「えへへへへへ、家政婦さんには内緒にしてもらっているけど、今日のタルトは私が作ったの」

次姉「あら、いつの間に? うちのキッチンからお菓子を焼く匂いはしていなかったと思うけど」
 


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