末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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121: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/03/12(土) 01:33:56.13 ID:NRefISqt0
(師匠「商人の妻の父方のいとこ達は、商人の妻と同じだけ曾祖母Aの血を引いている」)

(師匠「……(感じ悪い)親戚2と親戚3、あと(影の薄い)親戚1、その他にも4人くらいいるとか」)

(師匠「末妹達より一代前だから彼等の方が血は濃いわな」)

(師匠「ついでに彼らの子供らは……ああもう全部で何人いたか忘れてしまったぞ」)

(野獣「……」)

(師匠「な、『価値』は『そこ』ではないのだ」)

(師匠「図書館の娘の子孫は、いま生きているだけでも儂の頭脳でさえ覚え切れないほど存在するが」)

(師匠「それより、お前の友達のあの子達がどんな子で、お前とどんな会話をしてどんな思い出を作ったか」)

(師匠「その重さに比べたら、あの子達が図書館の娘と血の繋がりがあった、という事実は『ちょっとしたおまけ』程度なのさ」)

(野獣「ちょっとしたおまけ……」)

(野獣「……ですが、私にはこの上なく嬉しい、素晴らしいおまけですよ?」)

(師匠「とりあえず、お前は菫花には黙っておけよ? 本人にも言ったが、頃合いを見て儂が『会わせて』やる」)

(師匠「あいつには、時間と色々な物がまだまだまだまだ足りていない」)

(師匠「兄妹にもその時に知らせるつもりだ」)

(野獣「承知しました、でも」)

(野獣「……驚くでしょうね、三人とも」)

(師匠「うむ、ま、伝え方はじっくり考えるがな」)

(師匠「……嬉しい、か……」)

(師匠「ふ、ロマンチストのお前ならばそう考えるよな、運命とか奇跡とかそんな言葉を当てはめて」)

(野獣「時を経て形を変えて結ばれた、とかさっき仰っていたのは師匠ですよ?」)

(師匠「……ふふん」)

(師匠「運命や奇跡を当てにするだけの人生は実に阿呆らしいが、彩を添える程度であれば」)

(師匠「たまぁに起きても悪くはない、とはこの儂も思わんでもないのだぞ?」)

(野獣「師匠も丸くなりましたね」)

(師匠「お前達と付き合うからには、こちらも文学的発想に理解を持たないとな」)

……


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