末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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119: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/03/12(土) 01:28:25.55 ID:NRefISqt0
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夢の世界。

(師匠「……行ってしまったな」)

(野獣「はい、でも『しばしの別れ』ですから」)

(野獣「と言うか師匠、午前中からお昼寝ですか?」)

(師匠「眠りの魔法をかけてな、わざわざお前に会いに来てやったんだぞ」)

(野獣「それは恐れ入ります」)

(野獣「……魔法の地図の効果であっという間に森を出てしまったので、仮想の窓からも見えなくなってしまいました」)

(師匠「未練たらたらではないか」)

(野獣「そんなんじゃありません、笑顔で見送るという約束を果たしたかったのですよ」)

(野獣「……嘘の約束ではない、本当の約束を」)

(師匠「四週間前にお前があの子らについた嘘も、あの子らは本物に変えてくれたがな」)

(野獣「ええ、あんな素晴らしい兄妹を、もう裏切ることはできませんよ」)

(師匠「あの子らとお前の繋がりは、もう断ち切れないほど強いと思うぞ」)

(師匠「……200年以上の時を経て、形を変えて結ばれた、とでも言えば文学的かな」)

(野獣「……?」)

(野獣「師匠、今のはどういう意味でしょうか?」)

(師匠「図書館の娘の孫という男、5人いる中のひとりだが」)

(師匠「彼は北辺都市に生まれ育ち、そのままそこで嫁をもらい子もできた」)

(師匠「子は男ばかり3人」)

(師匠「うち三男は情熱的でな、親の猛反対を押し切って想い人と駆け落ちして王都へ行ってしまった」)

(野獣「はぁ」)
 


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