【安価・コンマ】ネオサイタマでニンジャライフ サイゴン!その19【忍殺】
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521: ◆WolEwA02oI[saga]
2016/06/18(土) 21:02:09.34 ID:yqFuSXH50
(〜〜〜〜〜〜〜ッ!)

もはや声にもならないほどの怒りでニューロンが埋め尽くされる。感情はアルマゲドンのように荒れ狂っていた。

チガサキはザイバツという名のブッダの掌の上で踊るマジックモンキーでしかなかったのだ。

(ザイバツ・シャドーギルド!家族を奪い、騙し、躍らせやがって!インガオホーを俺が味あわせてやる!)

チガサキの感情は憎悪一色に染まり、報復しようと考える。

(まずはこの拠点からだ!全てのニンジャを惨たらしく殺して―――――)

「んぅ・・・」

行動しようとした矢先隣から小さな声が聞こえた。燃え上がった憎悪の炎に冷水がかけられ、思考が一気に冷静になる。

チガサキはそちらを振り向く。未だに寝息を立てているトモヨだ。

そしてゾッとする。

自分はいいだろう。ムーホンを起こし、ニンジャを殺す。自分もいつか殺されるだろうがそれは覚悟の上になる。

だが彼女は?師であり、近い関係にあった彼女はどうなる。己は彼女の師だ。無関係ではいられない。責を問われるのは必然だ。

セプクかカマユデか。どちらにせよ凄惨な末路になることは容易に想像できる。

(できない。今は、できない・・・!)

今ここで動けば間違いなくそうなる未来が見える。ザイバツは巨大組織。1人で倒すことは限りなく不可能だ。出来なければ彼女が殺される。

チガサキはインクストーンというニンジャのせいで大切なものを再び失うことになるのだ。

だが当然復讐せずにいられない。インガオホーを味わわせなければ気が済まない。

その為には単独では無理だ。絶対に協力者が要る。同じ意思を持った協力者が!

(だがいるのか?ソウカイヤ亡き後ニンジャの一大組織となったザイバツに盾突くニンジャなど・・・!)

そこまで思い詰めて気が付く。

(いるじゃないか。ソウカイヤをたった一人で滅ぼし、ザイバツをも滅しようとする復讐に狂ったニンジャが!)

浮かんだのは何度も死合った赤黒のニンジャであった。

(だがまぁ、自分の話を聞いてくれるかな・・・?)

一抹どころか最大の不安はあるが、方針は決まった。

(自分は今、この瞬間からザイバツ・シャドーギルドを裏切り、ニジャスレイヤーを味方につけザイバツを滅ぼす)

(情報をニンジャスレイヤー側に流せば有利になることも多いだろう。それも視野に入れよう)

(だがムーホンがバレればトモヨ=サンに危険が及ぶ。行動の直前までバレてはいけない)

(それまでは掌の上で踊るマジックモンキーであろう。忠実で、愚鈍なマジックモンキーに!)

そう決意したとき、布が動く音がした。

「んぅ・・・。おはようございます。センセ・・・コルト=サン」

トモヨが目を覚まし、幸せそうな顔で笑顔を浮かべる。

「オハヨウ。トモヨ=サン」

チガサキも内に秘めた決意を顔に出さずに同じ顔でアイサツをした。

今、幸せなのは間違いなく事実なのだから。


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