魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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383: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/06/25(土) 21:24:47.67 ID:6Endy8Rh0

魔王「!!」

神「!? こんな時に、何者だ!!」


誰よりも先にピリと空気を張りなおしたのは魔王だった。
叫び声とほぼ同時、大きく崩れて開いた入り口に近衛と亀姫が姿を現す。


近衛「陛下ッ!! ご無事ですか!?」

魔王「近衛… それに、亀姫……」

亀姫「お待たせいたしましたわ、陛下。ただいま御前に参上仕りました」


獣王「…っ。ようやく、来たカ…。良かっタ……」


誰よりも深く安堵の息を吐いたのは獣王だった。
獣たちは先ほどから、魔王にかける言葉を見つけ出せずにいたからだ。

魔王の迷いを目の当たりにしてしまった獣王。
すがるように希望を求める“匂い”が魔王から漂ってくるのを、その嗅覚で感じ取ってしまっていたのだ。
そしてその匂いは、今もまだ消えていない。

目の前で籠絡されてしまいそうだった絶対的な主人、魔王。
もし神の手を取っていたなら、獣たちは従うしかなかった。統率は乱せない。それが獣の掟なのだ。

主人の想いを知りながら、神に食いつき言葉を止めるべきなのか……
獣たちもまた、葛藤に苛まれて身動きが取れずにいた。




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