魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
1- 20
277: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/04/22(金) 00:09:32.37 ID:XCb4AxA00

ザッ――


亀姫の回答を待たず、無表情のままで目の前の骸の首を刎ねた。
形だけの哀悼も、自分を試す為の残虐な行為も、無意味だと実感した。

切り取った翼についた小さな胴体を拾い上げ、検分し、余分を削る。
これくらいなら抱えて滑空するには都合がいい。きっとあの屋根まで届くだろう。
周りを見渡してちょうどよい翼を見つけ、亀姫の分も用意した。


近衛「さあ、行きましょうか」


振り向いた近衛の手に乗せられた、血の滴る肉塊から生えた翼。
それをにこやかに差し出す近衛の姿は、先ほどまで思い悩んでいた者とは思えない。


亀姫「……え、ええ」


近衛が作り笑いの不自然さでも見せていれば――
あるいは僅かにでも恍惚の表情を浮かべていれば、まだ理解もできただろう。

だが、近衛はただ瞬時のうちに様変わりをしたように見える。
どんな残虐な行為よりも、その切り替わりが得体の知れぬ怖ろしさを感じさせた。


先ほどの近衛の疑問には、答えられそうにない。
『ただの半端者になるのですわ』……そう答えれば、近衛は安心したのだろうか。


亀姫(…駄目ですわね。そんなこと、今は白々しくならないように言える気はしませんもの−−)





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
494Res/366.46 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice