魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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172: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2015/12/14(月) 10:24:24.41 ID:0t/Lxfak0

だから、触れることはできない。
連れて行こうとすればその途端に自分は無力となり、そのまま息絶えてしまう。

あの日、天使に出会った日
近づいただけで意識を失ったあの時のように…。


近衛「触れることも出来ない…。ましてや連れ去る事など…」

天使「……気付いております。近衛様は魔の者ではない。ましてや、天の者でも…」

近衛「――自分はニンゲンです」

天使「…ニンゲン。それは魔のモノに消し去られた存在と、聞いています」


無くなってしまったものを悼むように、悲しげに眉をひそめて呟く天使。
天の者も、魔の者と同じで……ニンゲンとは違う。


近衛(どれほど愛しく感じられても――まったく違う生き物なのだ)


神族。
それはニンゲンであったころから知っている。聖として崇められる存在。
何があろうと、きっとそれだけは確かなのだろう。




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