魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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◆OkIOr5cb.o
[saga]
2015/12/11(金) 10:51:36.36 ID:/7QfDunq0
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口数少なく黙り込んだ近衛を不審がりながらも、亀姫は丁寧に手当てを続けた。
傷があったことなど忘れてしまうほどの見事な治癒。
細胞も血管も、皮膚も…そこにあった指紋や皺までも元のとおり。
ニンゲンの感覚でいえば、恐ろしいどころか薄気味悪いほどの、医療術。
しかし近衛は、今更そんなことに動揺しなかった。
仕組みの分からない高度な術にだけ感心して、感謝して。
深々と礼を言い、近衛は立ち去った。
戸口の近くまで出て見送っていた亀姫は
その背が見えなくなるのを確認して、ポツリと呟く。
亀姫「おかしな子。それに少し……怪しい子」
「あア、怪しいナ」
のたりと縁の下から身を出してきたのは、獣王だった。
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