やはり俺の脳内選択肢が青春ラブコメを全力で邪魔しているのは間違っている。
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263: ◆oUKRClYegEez
2016/05/29(日) 18:18:15.99 ID:UvbGVtmI0
 いつもの俺なら絶対にしない。

 でも、隠れて聞いてる方がよっぽど悪いと思うから。

 ――なにか、取り返しのつかないことになるような気がして。

 葉山君と八幡が驚いたように俺を見る。

 葉山君は一瞬驚いたような顔をして、

隼人「別に、いいよ?」

 と言った。

 そして、俺と八幡の方を(自然な動きで)向き直って、続けた。

隼人「戸部も、姫菜も、一緒にいる時間がいいんだ。だから、」

 しかし、そこまで言ったところで、八幡が止めた。

八幡「……それで壊れる関係なら、それまでだったってことだろ」

奏「……っ!」

 言いたい。なにか言い返したい。

 選択肢の頭痛はきていない。でも、文化祭のときに、まさにぶっ壊すことをした俺は……そんなこと言えない。俺が壊した責任を――感じているから。

隼人「そうかもしれない。でも……失ったものは戻らない」

八幡「勝手な言い分だな。お前の都合でしかない」

 葉山君のそんな言葉を、八幡が一蹴する。

隼人「ならっ! ……きみはどうなんだ。君たちは。君たちなら、どうする」

 ……八幡も、俺と同じようなことをしたことがあるのだろうか。

 あの屋上では、そんな雰囲気があったから、という理由で八幡を押しのけ、俺が壊したけど……。

八幡「俺の話なんてどうでもいいだろ」

奏「……俺が、意見できることじゃない」

 壊した立場の人間が……守る側の気持ちなんて。

 わかっているから、葉山君にそれを提示したらいけない。

隼人「……これはただの、俺のわがままなんだ」

 葉山君が、寂しげに笑う。

 わかった。

 彼は……『依頼できない依頼』をしている。

 俺の勘違いかもしれないけど……彼は、『今』を失いたくないと言った。

 つまりは……。

八幡「見くびるなよ葉山。俺は人の言うことを簡単に信じない」

奏「っ!」

 それも、わかった。

 八幡は……やるつもりだ。

 俺が、文化祭でやったことを。

 自己――犠牲を。

八幡「だから、お前のわがままも信じてやらない」

 葉山君が驚いた顔をする。

奏「八幡」

 俺は、気づけば呼んでいた。

八幡「……なんだよ」


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