利根「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」 金剛「…………」 二隻目
1- 20
126:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A[saga]
2015/11/27(金) 20:23:00.63 ID:bJL9FGiDo
利根「うむ。どことなく似ているとな。──それで、過去の味方をどうとも思っておらん事じゃが、実は我輩もそうなのじゃよ」

響「……………………」

利根「あ、信用しておらぬな?」

響「そりゃね。どうでも良いって思ってるのなら、私を追い駆けたりしないよ」

利根「うむ、そうじゃ。ならば、どうして追い駆けたか考えてみぬか?}」

響「…………私の事を、どうでも良いって思ってないから?」

利根「正解じゃ。我輩はお主の事を放っておけぬからここへ来た。そして、そうならば更に疑問が生まれるじゃろう」

響「どうして放っておけないか──だよね」

利根「うむ。どうしてじゃと思う?」

響「…………………………………………」

響「…………」フルフル

利根「ぬ、分からぬか」

響「分からない。どうしてなんだい?」

利根「簡単じゃ。我輩は響を有象無象の一人と思うておらん」

響「…………?」

利根「簡単な話、我輩は深く接した者以外には淡白なのじゃよ。この鎮守府には数十人の艦娘が暮らし、助け合い、笑い会っておる。が、それだけの数ともなれば不仲も起きるじゃろう。そもそもとしてほとんど会話せん者も居る。我輩にとってその会話をあまりせぬ相手は、極端な話どうなろうと気に留めないのじゃ」

利根「例えばこの鎮守府には潜水艦が何人か在籍しておるが、我輩と任務や役割が噛み合わず話した事など無い。もしかすると向こうは我輩の事を覚えておらぬ可能性もある。なんせ少ない潜水艦ではなく、数ある重巡の中の一人じゃからな。覚えておらんでも無理はない」

利根「そこでもし潜水艦の誰かが任務中に沈んでしまったとしよう。じゃが、我輩にとってはその者との思い出も無ければ会話すら無いのじゃ。多少思う所はあっても、悲しむかと言われたら首を傾げる。例え我輩が涙を流したとしても、三日もすれば元の生活に戻っておるじゃろう」

響「……なるほどね。私とはあの島で一緒に支え合ってきた。色々と話した事もある。だから放っておけない、か」

利根「そうじゃ。可能性の話じゃが、別の鎮守府では響という名前の駆逐艦が沈んでいるかもしれぬ。もしくは解体されているかもしれぬ。じゃが、それを我輩が聞いた所で何も思わぬぞ。別の鎮守府の話じゃからな。我輩と何も関わっておらぬ相手の話を聞いても、同情こそはすれど悲しむ事などせんよ。要はどれだけ意味のある共通の時間を積み重ねてきたか、じゃ」

利根「そこで質問じゃ。ありえぬ話じゃが、もし提督が金剛や瑞鶴を解体すると言ったら響はどう思うかの?」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
764Res/607.58 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice