86: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/05(土) 00:49:51.31 ID:X+mP6cx90
15日前、
辺境の町への魔物の襲撃の後、
俺は勇者の誘いに乗り、鉱山都市で勇者の仕事を手伝う事になった。
俺の提案した条件は3つ。
1つめ、俺は第6師団に配属されない事。
あくまで辺境の町の衛兵としての立場を貫く事。
2つめ、俺が協力した事が知られないよう、
建前として別の協力者を一人鉱山都市へ派遣する事。
信頼できる人間が望ましい。
きな臭い話を一度知ったとされては、
第6師団に配属されなければならなくなるか、
最悪、消されてしまう。
3つめ、仕事が終わった後、本都に連れて行く事。
本都に着いたら、協力関係を清算する事。
こんな条件を呑むとは思っていなかったが、
勇者は、君って意外と我が儘だね、と一度目を丸くした後、
勇者「オーケー、それでいいよ。
惚れた弱みだね」
と冷たく笑った。
出立は1週後。
辺境の町から北西へ馬を飛ばし、5日間。
小さな山脈の谷間を越えた更に先、中原の王国を北東から一望する、
火竜山脈の裾野に鉱山都市がある。
鉱山都市の成り立ちは150年前にまで遡る。
ここはかつて中原に存在した帝国が管理する鉱山だった。
首都から離れている、という理由で、鉱夫たちが次々に住みつき、
いつの間にやら評議会までが作られ、独自の統治を続けるようになった。
帝国が中原の王国により征服されてからは即座に独立を宣言し、
大陸全土との交易により今もなお発展を続けているそうだ。
火竜山脈といっても実際に火竜が棲んでいるわけでもなく、
火山群というわけでもないが、
気の遠くなるほど昔本当に火竜が棲みついていたそうで、
どこかの山の中腹に大穴が開いており、
火竜の巣として観光事業までやってのけている。
ここは鉱山商人と工学者たち、そして鉱夫たちの国。
鉱山都市で手に入らない金属はない、と人々は言う。
火竜山脈にはあらゆる金属の鉱脈があり、
未だ発見されていない金属までも眠っているとも。
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