魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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52: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/08/29(土) 20:52:04.39 ID:tNq3pxyB0



床板を剥がしてみると布にくるまれた長物が出てきた。
布は絹織物のように軽くなめらかだが、
手触りは冷たく、金属を思わせる。

布の中には、眩しく輝く白銀の斧槍。
穂先は大振りの斧刃と刺先があり、
けら首から石突まで、あるはずの口金がない。
驚く事に、この斧槍は、
斧槍に象られた、金属の一塊なのだ。
柄には銅金のような突起があり、革巻きになっていて、
まるで愛用していたかのように手に馴染む。


戦士「ミスリルの、外套と、ハルバード」


ミスリルの削り出しや、織物など聞いた事がない。
そもそもミスリルはそのものが魔力を持つ鉱物で、
驚くほど硬度が高く、
あらゆる属性をはねのける、神秘の鉱物だと聞く。

太古の妖精のみがその精錬技術を持っていたとされ、
ミスリルの加工品はその全てが発掘された骨董品のはずだ。


戦士「お前は、本当に天才だったんだな。はは」


斧槍はまるで中空かと思うほど軽いが、
重心が先調子になっていて、適度な重さを感じる事ができる。
これまでの武器で一度振れるところを、二度は振れそうだ。


戦士「…ほんとに、妻の鑑だ。
   夫の事をよく理解してるじゃないか。
   ……待ってろ。
   お前のできなかった事、
   全部俺が、やってやるから」


彼女のできなかった事。
彼女が失敗した事。

…彼女が死ななければならなかった、理由を探すために。






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