407: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/12/30(水) 01:40:05.53 ID:+mjVyJCo0
―――ああ、わかった。
そのトカゲ、しばらくその屋敷に棲みつくみたいだから、
念信したら出てくるらしい。
俺の持ってる通信水晶と交信できるそうだ。
賢者「…凄いわね。
それ、かなりの高位技術よ。一体何者なの?」
―――まぁそれは、後のお楽しみって事にしといてくれ。
俺はこれから、また中央王国に向かうよ。
やることができたんだ。
賢者「りょーかい。
また連絡するわね。
…っと、そうだ」
―――どうした?
賢者「あんた、精霊の力、うまく使えないって言ってたでしょ」
―――…ああ。
賢者「たまに精霊が目の前に現れない?
ちょっと、悲しそうな顔で」
―――あー。一度だけある。
緑色で、羽の生えた小人だった。
賢者「それ、名前をつけて欲しがってるのよ。
契約がまだ済んでないから、
精霊がどうしていいかわかんなくなっちゃってるのね」
―――名前って。
…そうなのか。
ありがとう、考えてみるよ。
賢者「いい名前つけてあげてね。
それだけ力を貸してくれてるってことは、
あなた好かれてるのよ。
…それで?あの子の研究室で、知りたかったことは知れたの?」
少しの沈黙が流れ、
―――ああ、わかったよ。
いろいろとな。
その沈黙を噛み潰したような言葉を言い残し、念信は途切れた。
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