379: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/11/25(水) 03:04:46.71 ID:Mm2oT6db0
盗賊「……………」
仮牢で一人うなだれる。
一体何日経ったのか。
なぜこうなったのか。
どこで間違えたのか。
ただそれだけを考え続けた。
従軍する母を止めるべきだったのか。
父はどう訴えれば時計作りをやめたのか。
妹の家出になぜ気付けなかったのか。
盗賊となったのは間違いだったのか。
奴隷を狩り続けてなんになったのか。
自分の人生は、不幸と憂さ晴らしの連続でしかなかった。
青年「食事、摂らなければ。
そのまま餓死するつもりですか?」
部屋に入ってきた若い男。
よく鍛えられた身体と、血色のいい顔。
そして少しの汚れも無い白い軍服姿に目が眩む。
青年「面倒くさい前置きは省きます。
なぜ殺したんです」
盗賊「………殺す、つもりは」
青年「まぁそうですね。
状況としても、わざわざ椅子に頭を打ち付けるなんて。
殴った方が早いです」
盗賊「……………」
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