356: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/11/23(月) 01:29:12.74 ID:9DwdlqBj0
少年「なんて顔してるのさ」
賢者「………バカげてるわ」
少年は賢者のグラスをひと舐めし、続ける。
少年「君の知覚はおかしくないよ。
でも僕を知覚するには少し足りない。
意識の外に目を向けてみる事だね」
賢者「…ご高説ありがと」
少年「ま、ひとつだけ教えてあげる。
臨戦態勢の君に魔眼は効かないし、
そもそも僕は幻なんかじゃなかったよ。
これ以上は自分で考えてね」
賢者「……………」
少年「ま、目的は果たしたし。
ごめんね、バイバイ」
その言葉を響かせながら、
少年の身体は再び霧散した。
それは姿を消す事とは異なる。
滲む視界を思わせる、
僅かに残像の残るような、
焦点が徐々に合わなくなるような、
…奥深い霧の向こうへと沈むような。
賢者「…ああ、なるほど」
そして彼女は、少年の正体を悟った。
賢者「仕事、増やしてほしくないんだけどな…」
その正体が賢者の想像の通りだとすれば、
交戦が不利である事も頷ける。
少年は目的は果たしたと言った。
目的とは恐らく賢者自身であるはずだ。
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