魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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289: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:47:04.34 ID:D2uU4S3W0



勇者「魔法使いたちの死体の話」

戦士「……………死体?」

勇者「燃やしてくれちゃって、困るなぁ。
   まぁ新しいのをいっぱい仕入れられたからいいんだけど」

賢者「………あなた、まさか」

勇者「さぁねー」

賢者「私の部下達を、…どうしたの」

勇者「内緒だよ。言う必要ある?」


話の内容はわからない。
しかし断片的な単語から推測出来ることは、
…とても人の道ではない。
死体を使って何をする?
人が魔法使いに求めるもの。
…それは。


戦士「魔力か?」

勇者「お、戦士はやっぱり賢いね。
   馬鹿だけど」

賢者「あなた達は、一体なにを……」

勇者「うーん。
   教えてあげたいけど、
   教えられないんだよね」

賢者「あれはあなたの仕業なの?」

勇者「なんだ、見たのは君なんだ。
   君って意外に直情的なんだね」

賢者「……………」


賢者は、ぎり、と唇を噛む。
彼女は見てはいけないものを見たと言った。
どれだけ苛烈な状況に身を置こうとも、
激情に駆られようとも、彼女は心の静謐さを失わない。
その彼女が冷静さを失い、凶行に及ぶだけの理由とは、
きっと誇りと尊厳でも踏みにじられたのだろう。
そしてそれは恐らく、決して自らのものではないのだ。


勇者「ま、そろそろ幕引きだね」






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