261: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:15:57.40 ID:D2uU4S3W0
盗賊「…これは………。
一体何が起こっているのか」
焼け焦げた鎧騎士の亡骸たち。
ひしゃげた鎧の紋章に僅かに残る、
王国に仇をなす者に災いあれの文字。
近衛師団第一中隊、王都守護職を司る誉れ高き近衛騎士団の成れの果て。
魔研は王都の北の郊外、小さな森の中にひらけた丘にある。
盗賊は執行部の目を逃れ、研究所を脱出し、
森の中に潜んでいた。
盗賊「兵たちの声が途絶えたと思えば。
…一体なにがあった?」
少し前まで聞こえていた、
森を駆ける蹄の音、
兵たちの鬨の声。
およそ250の騎兵たちの気配。
それは、僅かの戦闘の音と、轟音によってかき消された。
例外は無い。
第一中隊は、わずか数分で、
完膚なきまでに皆殺しにされたのだ。
一体どのような魔法を使ったのか。
粉砕された木々の中倒れ伏す、
焼け焦げた亡骸たちを見るに、熱を用いる魔法である事に疑いはない。
しかし、このような規模の惨劇を引き起こすには、
少なく見積もろうと、100人以上の魔法使いが必要となろう。
加えて、中央王国軍は対魔法装備が充実している。
鎧はみな法儀済みの上、魔力の迸りを感知する槍旗もあり、
対魔法陣形の訓練も受けている。
ドラゴンの鱗を織り込んだ帷子など、
特に消費魔力に対し攻撃効率の高い火炎魔法に対しての対策は、
ほぼ万全のはずだ。
それでいて、そもそもこの有様はなんだ。
鎧を粉砕するほどの火炎魔法など聞いた事がない。
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