200: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/19(土) 02:08:39.31 ID:HzNUYnay0
賢者「あんたは下手そうね、うふふ」
戦士「俺は魔法使いじゃないからさ。
そんな事を言えば、
あいつだって、魔法使いの割には下手だったよ」
賢者「そうね。
あの子は、とっても下手だった。
魔法使いらしくなかったわ」
戦士「…前、聞きそびれたが」
賢者「なあに?」
戦士「学院に居た頃のあいつは、
…どんな奴だったんだ?」
賢者「…そうね。
優しい子だったわ」
賢者は、堪えるように唇を噛み締めながら、
堪えきれずに漏れ出るような言葉で、
魔女の話を続ける。
苦しげな声は、こぼれ落ちる涙を思わせた。
表情には、少しの怒りと悲しみ。
そして、大きな親愛の情が浮かんでいる。
賢者「同室になったのは4年間よ。
私はあの子のひとつ上だったし、
身体も他の子より大きかったから、
痩せっぽちの、みすぼらしい、傷だらけのあの子の事は、
妙に癇に障ったわ」
戦士「痩せっぽち?
あいつはどっちかといえば…」
賢者「あの頃は痩せてたわ。
ろくなもの食べてなかったみたいで」
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