魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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170: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 01:01:00.35 ID:woiMU4L00



戦士「では、佐官に?」

兵長「ああ」


朝、兵長に久方ぶりの稽古をつけてもらった。
俺はずっと父に剣を習っていたのだが、
その父は16の時、魔物との戦闘で命を落とした。
母は俺を産んだ時森の瘴気に当てられ死んでしまっていて、
俺の家族は父だけだった。
まるで世界の終わりにも思えたが、
彼は涙を堪える俺の肩を支え、こう言った。

君の世界はまだ続く。
希望を捨てず戦え、と。

俺の剣は父に習った。
兵長は父の後を継いでくれた。
16の俺から見て兵長は強く、
そして誰よりも優しかった。
彼は父と並ぶ人生の師だった。

最初は10本に1本も取れなかったが、
やがてそれは5本に1本、
3本に1本になり、
俺が18の頃互角になり、
いつしか逆転しても、
彼は俺の良き師であり続けた。


兵長「王城に勤めれば佐官に昇進できるそうだ。
   勇者殿の口利きだよ」

戦士「…そうですか。
   俺はいずれ町に戻ろうと思っていましたが」

兵長「お前から見て俺の母親はどうだ?」

戦士「…溌剌としていて、良いご母堂だと思います。
   いつも師匠の事を案じているのだろうと感じました」

兵長「あれで、最近、どこか悪いらしい。
   だから一人にはしておけないんだ」

戦士「……………」






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