【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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80: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/01(火) 00:50:04.97 ID:RkvSB8Q60


 進歩のない現状への焦り、資質を持つ者への羨望、着いていかない肉体。
おいそれと指摘できないのは私達共通のものとして、私個人としては、ロミオのそうした状況にどこか既視感を覚えていた。
記憶上の人物の人物を辿ってもその解は出ない。
でもこれは、私が神機使いになる決心をした時から、ずっと心の奥底で引っかかっている何かと、よく似ているような気がした。
その何かを深く探ろうとすると、自らの理性が強く制止をかけてくる。

――末端部でも心を暴けば、私はすぐに身動きが取れなくなる。今はこれで、いや、以降もこのままであるべきだ。
――今まで通り、何も考えずに力を振るえばいい。悩むことなく、周りに善人面でも振りまいておけばいい。

理性が邪魔をして、既視感の正体に辿り着けない。
辛うじて指先だけ輪郭に触れることはできても、本体を掴み出すことも覗き見ることもかなわない、もどかしい状態。
それでも我慢しようと思えば抑え込めるけど、今はロミオの様子を見る度に輪郭部分が引掻かれる。
度重なる自制と本能の現出に理性が摩耗し始め、私は苛立ちを覚えるようになっていた。
だからだろうか、私がロミオを諭そうと彼を"アナグラの"自室に呼び出した際には、思いがけず口論を起こしてしまった。


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