460: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/01/24(火) 21:34:27.41 ID:cwapklYdO
……いやいや、まさか。
いくらなんでも自意識過剰が過ぎると反省しつつ、私もシエルに微笑み返す。
「どうしたの?」
「……あの、疲れていませんか?」
「えっ?」
ただ、それもすぐに、彼女の指摘に崩されてしまった。
「お茶を淹れる時の腕の角度や、ここに来るまでの足取り、体幹……ほんの少しですが、いつもよりもブレが大きく見えたので」
「……勘違いでしたら、すいません」
「……やっぱり、流石だね」
シエルは緊張の中で、私の不調を見抜いていた。
これは"直覚"による状態の視覚化ではなく、彼女自身が培ってきた洞察力だ。
「お気持ちはわかりますが、少し休んだ方がいいのでは?」
「フライアへの再突入まで時間を要する以上、君のような立場の人間なら、尚更ここで……」
どんな形であれ、シエルはこの瞬間を大事に考えてくれていて、友人としての私を想ってくれている。
その気持ちが私には少し面映ゆくて、それ以上に喜ばしい。
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