452: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/01/12(木) 00:47:19.86 ID:rZAVV3Sxo
私が安易に手を出していい問題じゃないから。
下手にかき乱して、今の関係を壊したくないから。
そう理解していながら、私はまだ未練を断ち切れずにいる。
「……どうして、そう思った?」
「私にも、覚えがあるんです」
「……そういう目で見られる事には、特に」
初めに違和感を持ったのは、父との仲が一方的に冷え込み始めた頃だった。
彼は確かに私を所有物として扱っていたけど、私を私として見たことはない。
見下ろす瞳は澱んでいて、常に私じゃない誰かを見つめている。
それはきっと、私と同じ髪の誰か、だと思う。
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