443: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/12/05(月) 02:05:11.11 ID:u+Z2oVxzo
「――そうだな……」
相槌を打つわけでもなく、ただ私を見据えて黙するだけだったハルさんが、初めて言葉を返す。
「お前さんは、もうちょっとそいつを受け入れてやった方がいい」
口から出まかせを言った風でもなく、塾考の末、絞り出したというわけでもない。
言うなれば、予め備えた手札を切っているとさえ思えるような簡潔さで、彼は答えてみせた。
「……彼を拒絶しているつもりはありません」
それだけに、私はすぐさま、言葉に含まれた否定的な意味合いに目を光らせる。
「今ジュリウスのやっていることがわかっているから、その原因を作ってしまったかもしれない私が――」
「それだよ」
「――それ?」
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20