399: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/07/19(火) 00:18:45.90 ID:BGzsMdD4o
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アラガミに食い荒らされ、緑と文明が絶えて久しい地表を、数台の輸送車両が駆ける。
サカキ博士の決断は迅速だった。
ほぼ極東支部の独断で発行された潜入作戦には、フライアに所属していた経験と、
レア博士がもたらした情報を円滑に汲めるという名目から選出された"ブラッド"を中心に、"黒蛛病"患者の搬出要員で構成された救出部隊が向かう。
無人制御式"神機兵"の本格的な実戦投入以降、フライアは物理的にも極東支部から距離を取っていた。
道中でアラガミに妨害される可能性も含め、事を確実に進めるためには、神機使いの存在が不可欠になる。
こちらもまだ可能性の段階ではあるけど、そう断じられる根拠はフライアの内部にもあった。
車両から降り立った私の視線が、無意識に上がる。
フライア、この場合、移動要塞としてのそれには、"独立機動支部"という呼称がある。
支部単位での活動を可能にするべく、駆動部の上に並び立てられた膨大な設備群は、
長じて莫大な質量を誇る移動要塞の外観を形成し、見る者に威容すら感じさせる。
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