361: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/04/10(日) 12:32:25.09 ID:sXugDQCbo
◇
「――ロミオ先輩。先輩の仇、取ってきたよ」
そう墓碑に語りかけるナナの後ろで、私達3人は各々の思いを馳せる。
遠征作戦の後日、一人のフライア職員が"アナグラ"を訪れた。
"区画を限定した上で、あなた方の入場を許可します"
という旨を事務的に語った彼は、私達をフライアへと誘う。
私達が見られる範囲でのフライアは、以前とほとんど変わらない。
ただ、妙に静かだった。
元々、ここは極東ほど騒がしい場所じゃない。
だけど、今のフライアにはどこか居心地の悪い、異質な静けさがあった。
目にする職員の硬い表情も、心なしか不信を押し殺しているかのように感じられる。
直感に過ぎない懐疑心を抱いたまま、"ブラッド"が通されたのは、今や鎮魂の場となった、高層庭園だった。
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